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ここではパワーアップ後のQR3でベンチマークテストを行い、性能差を比較してみました。
また、アバウトではありますが使用感(静音性)なども書いてみたいと思います。

ベンチマークテストと言ってもベンチマークソフトを使用してのテストでは、今ひとつ実用感から離れてしまうと、私は思っています。
あくまで使用するソフトや何かPCに仕事をさせた時の動作が早くならなければ、意味が無いと考え、少ないですが、以下の2つの実用テストを行ってみました。

1、約45MBのWAVEファイルをMP3形式にエンコーディングする。


※すべてノート用のモバイルプロセッサです。
結果は左の表のように当然ですが、Pentium3 850MHzが1番早く処理を終了しています。

注目する点はCeleronとPentium3の性能差で50MHz動作クロックが違うだけで9秒も違いが出ました。
Pentium3同士では5秒差ですが、L2キャッシュの差でしょうか。

単純計算ですが、CeleronとPentium3 850を比べると12曲入ったアルバムがあるとすれば
(87秒-73秒)×12=168秒=2分48秒も差が出る事になります。


2、Photoshopを使いXGAサイズの画像にフィルタを連続実行する。


※すべてノート用のモバイルプロセッサです。
当然ですがテスト方法はアクションとして登録してそれを実行した物です。

ここでもL2キャッシュと動作速度で勝るPentium3 850MHzが勝っています。

上のMP3と同じくCeleronは動作速度以上に差を付けられています。

実際の作業でも、キビキビ感を感じるのはこんな事の積み重ねでしょうか。

とベンチマークテストは以上なのですが、ここからはもう一つ感じた重要な部分、静音性に関してお話したいと思います。

●静音性

ここまでのテストでパフォーマンスを求めれば、文句無く「Pentium3 850MHz」なのですが実はこいつを使っていると頻繁にFANが回り、止まっている時との差が激しく、個人的には耳障りだと感じました。

また、PC自体の温度もだいぶ上がり、熱いまでいかないにしても、だいぶ温かくなっていました。

そこで、IntelのサイトよりノートPC設計時の熱デザインの基準になるThermal Design Power を取り上げてみたいと思います。

MobilPentium3 900MHz
Core Voltage 1.7V/1.35V
Thermal Design Power 30.7W +3.2W
MobilPentium3 850MHz
Core Voltage 1.6V/1.35V
Thermal Design Power 27.5W +1.6W
MobilPentium3 800MHz
Core Voltage 1.6V/1.35V
Thermal Design Power 25.9W +1.3W
MobilPentium3 750MHz
Core Voltage 1.6V/1.35V
Thermal Design Power 24.6W +1.6W
MobilPentium3 700MHz
Core Voltage 1.6V/1.35V
Thermal Design Power 23.0W +- 0

こう見るともともとはPentium3に比べ発熱量が少ないCeleron750MHz(*1)が実装されていたわけで、ターゲットとなるThermal Design Power は24〜26W程度と推測できます。
(*1 Celeronの方がL2キャッシュが少ないのでそれだけトランジスタ数も少なく、結果消費電力も押さえられるため)

となるとやはり850MHzでは少々オーバーなのでははないかと考えられるのです。
このQR3の最終モデルもCeleron850MHzで、これ以上のCPUも供給されていたわけで、戦略云々というのもあるかもしれませんが、設計自体もかなり限界にきていたと考えざるおえません。

ただ、このテストを行っていたのが残暑厳しい9月前半でしたので、冬になればそれほど気にならなくなるかもしれませんが。

●まとめ

ということで、私のマシンには最終的にMobil Pentium3 800MHzを搭載することにしました。
上記の様に850MHzも捨てがたかったのですが、残暑厳しい時期でしたので、静音性を考慮してこの結果になりました。

パワーアップ後は使っていてキビキビ感もアップし、テストでも性能向上が見られるので、自己責任になってしまいますが、チャレンジしてもおもしろいかもしれません。






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